今回は、心の6段階に応じてそれぞれのケア方法をお伝えしている「自力でうつを治す」シリーズ。こちらはズバリ”しかばね期”です…。
このプロセスでは、自分の心を理解していき心との付き合い方を学ぶことを目標にしています。うつを克服し、充実した人生を送るために大切なのは、自分の心と向き合うことだと思っています。
あくまでも私がうつを治した経験をもとにしているので、すべての方に当てはまるかはわかりませんが、参考になればうれしいです。
自殺願望があったり生活に支障がでている重度の方はセルフケアが難しいので、精神科や薬の処方を考えてくださいね。
▼こちらの記事を読んでない方はcheck!
自分のメンタルが今どの状態に当てはまるのか、チェックしてみましょう。
まずは、心を守る必殺技を習得しよう
心がうつになる原因は、人間関係や働きすぎでの過労など様々です。(※遺伝子的な要因や栄養不足によるもの、原因がはっきりわからない場合も。)
うつ状態にあるときは、客観的な判断力が低下していて、問題解決能力も低くなっています。
なので、対人関係の場合は特にですが、こちらの気持ちや事情を理解してもらおうと問題解決に励んでも、あまりよい結果には繋がらないように思います。
そのことでさらにストレスを増やすことにもなりかねません。
それよりはまず自分の心を守るため、「問題から逃げる」というスキルが大事!だと個人的には思っています。
つまり「逃げるが勝ち」戦法です。
賛否両論かもしれませんが…
私は、心と向き合うためにも、まずは「問題」や「悩み」そのものから距離をとることをおすすめします。
重症度マックス…しかばね期の症状
さて6段階で一番つらい「しかばね期」の状態は・・・
- 動けない
- 笑えない
- 心が「無」
「うれしい」「楽しい」どころか、「悲しい」「辛い」もなにも感じない状態ですね…。
ここで質問ですが
みなさんはなにか辛いことがあったとき
その感情から逃げたくて、つい蓋をしてしまうことはありませんか?
私は、離婚したとき子どもの親権が取れず、あまりの辛さにその感情を心の奥においやってしまったことがありました。
すると、どうなるか・・・
「無」 になります。
美しい風景や感動する映画、好きだったはずの音楽も、友達とのおしゃべりも・・・自分の心の外側を素通りしていくように、なにも感じない。
誰と何をしてても、楽しいと思えないし、前は好きだったことにも興味がもてない。
だから「辛い」だけ閉じ込めたつもりが、こころ全部に蓋をされてなにも感じなくなってしまったんですね・・・。
ポイントは”焦らない”! 「しかばね期」のセルフケア
しかばね期は、ものすごい虚無感で、自分のなかみがからっぽになってしまったような感覚・・・。私は、そんな状態に途方にくれ、「何をどうしていいのか分からない」という時期を長くすごしました。
とはいえ、だてに40年生きてるわけではありません。だんだん自分との付き合い方がわかってきた私がこの時期に心がけたことは、こちら。
- とにかく、たっぷりの休息を!
- 鉄分とタンパク質を摂る
- 心から感情がわきでてくるのを待つ
その1:早く治そうとせず、たっぷりの休息を
この気力も体力もなく動けない時期にやれることは、
「がんばらないこと」を頑張る!
ガソリン切れで動かない車を無理して後ろから押しても、疲れるだけで進みませんよね。
そういうときは、とにかく心も身体もお休みが必要な時期です。思い切って人生を少しお休みするしかないようです。
そこで気をつけるポイントは
なにもしてない自分に対して
- 罪悪感を感じない
- 焦ったりしない
- 自暴自棄にならない
ということ。
「心を休める」のが目的なので、自分を責めたり、いじめたりするのは絶対にNGです!!
自分も周囲も「早く治したい」と思うかもしれませんが、その焦りがストレスになってしまう場合も。ご家族や恋人、友人にも理解してもらえるようにお願いしましょう。
家族が突然うつになる、というのは誰にとっても予想外のことです。
「ふさぎこんでいて、接し方がわからない」
と、理解が追いつかず不安な気持ちでいらっしゃると思います。
ただ、忘れていただきたくないのは、一番つらいのは本人だということ。
情緒が不安定で接し方に戸惑ったり、怠けているだけにみえてイライラしてしまうこともあるかもしれませんが、
この時期は辛抱強く見守ってくださると本人もずいぶん気持ちがラクになります。
また、本人には客観的に自分の心の状態がわからないこともあります。ご家族が「精神科でみてもらったほうがいい」と思ったら、本人に提案して病院まで付き添っていただけると心強いと思います。
その2:鉄分とタンパク質を摂る
栄養療法をうつ病の治療に取り入れている精神科医・藤川徳美先生によると、うつになる原因のひとつに、鉄分とたんぱく質不足があります。
私は今まで、慢性的に
- 無気力
- 体力がなく疲れやすい
- 落ち込みやすい
…というのがあり、体質や性格だと思ってあきらめていましたが、試しに栄養療法を取り入れてみたところドンピシャで改善しました…。
今まで何十年も苦しんでいたのはなんだったの!?
しかも、鉄分は食べ物から摂取するのが難しい栄養素のひとつで、諸外国では小麦粉などの食品に添加することで、鉄分不足にならないよう配慮している国も。そういった対策がない日本では、知らず知らず深刻な鉄分不足になっている人が多いんだよ。
特に女性は、生理や出産が原因で、深刻な鉄欠乏症になりやすいんだ。
私は”ゆるめの菜食主義”で、普段あまりお肉を食べていなかったし、鉄分とたんぱく質がかなり不足していたみたい。無気力感と極度の疲れやすさもそれが原因だったんだね・・・。
試しに含有量の多い海外の鉄と亜鉛のサプリメントを飲みはじめたら、1週間ほどでめきめきと心と体調が回復していきました。
(残念ながら国産のサプリメントでは含有量が少なく、飲んでも体感はあまりありませんでした)
私は、アイハーブで購入したサプリメントを下の飲み方で2週間続けています。
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体感としては
- 身体と心が軽くなった感覚
- 視野が開けて世界が明るく感じる
- 鉛のように重かった身体が少しずつ動くようになった
といった風に、改善を感じました。
ちなみに、サプリメントは「食品扱い」ですが、副作用がないわけではありません。
例えば私の場合、空腹時に鉄サプリを摂ったらムカムカと吐き気を感じたことが何度かあったので、フルーツなどなにか軽くお腹にいれてからサプリを摂るようにしています。
そして、ビタミンEやビタミンBなどの脂溶性ビタミンは体内に蓄積していくため、過剰摂取しないよう注意しないといけません。私はある程度飲み続けたら、血液検査などで体内の栄養素をチェックしようと思っています。
- サプリメントはひとつずつ種類を増やす。(副作用がないか確認するため)
- ビタミンEは鉄分と一緒に取らない。8時間ほど空けて飲む
- 脂溶性ビタミンは身体に蓄積していくので、過剰摂取に注意する
私が参考にした藤川徳美先生の本はこちら。
その3:心から感情がわきでてくるのを待つ
心が無になっているのは、感情にフタがされているから、とお話しました。
そこで、感情を開放する作業が必要だな…と思った私が、実際にやってみて効果を感じたことを紹介します。
ノートにひたすら感情を書きなぐる
- 過去の解消されない感情
- 忘れられない他人からの攻撃
- 自分へのふがいなさ
などなど・・・とにかく思いつくままに大きめのスケッチブックにマジックペンで書いていきます。
なにも浮かばない・・・というときは、「モヤモヤ」や「辛い」など今ある感情をひとつ書いてみてください。
モヤモヤ ⇢仕事がうまくいかなかった ⇢私のせいにされた ⇢あいつのせいだ! ⇢あいつの〇〇なところが大きらい! ⇢バカヤロー!!
こんなふうに連想ゲームのように、芋づる式に感情を引き出していきます。
「人の悪口はいってはいけない」とか「いい人でいなきゃ」というブロックを外し、思い切り感情をぶつけるのがポイントです。
だれも見ていないので、思い切り自分の感情をまずは出し切りましょう。
「あぁ。あなたはそう思っていたんだね」と認めて受け止めてあげると、感情が浄化したような軽さを感じます。
これを何度でもやってみてください。
詰まりがとれて、少しずつ感情がでてきてくれるようになったら大成功です。
排水口が詰まると水が流れなくなりますが、それと同じような感じでそれまで抑制していた感情が詰まりを起こしていたんだなあって、思いました。
どうしてもノートに書けない人は・・・
とはいっても、拒否反応がでてノートに書くことができない…という人もいると思います。(自分の感情と向き合うのは、とても勇気がいることなので無理はしなくても大丈夫です)
そういったときに私が試したのは。。。
寝る前に布団にはいったら、アイマスクをしてヘッドホンで音楽を聴く
という方法。
真っ暗闇で柔らかな毛布に包まれて、自我から離れたような感覚のなかで音楽の歌詞がスーッと入ってきます。
その歌詞に同調して涙が流れて・・・・
はじめて
平気なふりをしていただけで、本当は辛かったんだな。
という気付きがありました。
自分の好みの曲でもいいですが、ユーチューブでランダムに日本語の歌を流すのがおすすめです。私はこんなメドレーを聞いていました。
★心にしみる日本の曲 感動する歌 こころに響く名曲 泣ける曲 優しい歌 号泣など
思わぬ歌詞が心の琴線にふれ、奥に縮こまっていた感情を引き出してくれます。
焦らず、ゆっくりと休みましょう!
こんな感じで、私は1ヶ月ほどしかばね期を過ごしました。
今までたくさん頑張って我慢してきた自分自身に、思い切り優しい言葉をかけていたわってあげてくださいね。
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