だから、気分が不安定になりがちなんだ。
もともとの生き辛さに加えて、セロトニン不足でストレス耐性が低く、精神面でも問題をかかえやすいから、ほんとうに大変なの。
今回は抗うつ薬のリスクとともに、うつ状態から回復するために大事なことをお伝えします。
- 精神科に通院しようか迷っている
- 抗うつ薬を飲むかどうか、迷っている
- まずは自分で自分の心に向き合いたい
うつを治すのに必要なこと
「好奇心旺盛な性格だったのに、なにも興味がわかない…」
「気力体力がなくて、すぐ疲れちゃう」
「ベッドから起きられない」
これは、私が以前悩んでいた”うつっぽい”症状です。
・自分は一体、どうなってしまったのか
・その状態から回復するには、どうしたらいいのか
わからなくてただただ、途方にくれていました。
そう思いました。
今でもまだ、完全復活とはいえませんが、だいぶ自分のメンタルとの付き合い方や回復する方法が分かってきました。
私の経験の蓄積なので、すべての人に当てはまるわけではありませんが、参考までにポイントを絞ってお伝えしていきます。
その1: 問題を自分から遠ざける
「うつかも?」という心の状態では、問題解決をする力は残されていません。
あきらかなストレスの原因がはっきりしているようであれば
ひとまず、問題を自分から遠ざけて、これ以上ダメージを受けないように自分の心を守るのが先決です。
その2: たっぷりの休息
うつ状態から回復していくには、かなりの時間が必要です。
私は、寝たきり状態が1ヶ月ほど続くパターンを繰り返していました。
焦らず、罪悪感を感じず、自分を責めず・・・ひたすら、待つ。
ゆっくり自分のペースで心が回復するのを待ちましょう。
( ※ 心の回復段階のことは「心のトリセツ」として別記事にまとめているので、記事の最後にご紹介しますね)
その3: 自分の心と向き合う
それまで、自分の心と向き合うことを避けてきた人も多いと思います。
- 辛い感情にフタをしたり
- 都合の悪い感情は見て見ぬふりしたり
- 傷ついたのに平気なふりをしたり・・・
私もそうでした。
でも、メンタルを回復していくうえでもっとも大事なポイントが
- 自分の心と向き合うこと
- 自分の一番の理解者になること
です。
とはいっても、怖いし、ずっとフタをし続けていたから
耳をすませてもはじめは何も心の声が聞こえないんですが…。
私はまず、少しずつ”今”の心の状態を知ることからはじめました。
うつ状態のときにやってはいけないこと
やってはいけないのは、心が弱っているのにポジティブシンキングを自分に押し付けてしまうこと。
でも
心が弱っているときに精神論や根性論でどうにかしようとしても
まったく意味がないな
と今になって思います…。
弱っている心をごまかして、むりやり立ち上がらせようとすると、後からもっと重い症状に悩まされることも・・・。
まさに私もそのパターンを繰り返していました。
弱っているハートにさらにムチ打って頑張らせようとしていたのです。ごめんね、私のハートちゃん…
バッテリー切れでは動けないのは当たり前。心が弱っているときに必要なのは、休息です。
私は、自分の心が弱ったときに思い出す言葉があります。
それは、東日本大震災から3年目の年。
テレビや新聞では「前向きに生きる被災者」の姿が報道されるなか、
地元であるはずの東北の新聞『河北新報』には、一切「前向きに」という言葉はありませんでした。
その代わり、震災から現在までの復興年表に、町が少しずつ日常を取り戻していく様子、地元のお祭り、子どもの笑顔の写真が添えられていました。
だれも傷つかないように配慮された誌面でした。
東北出身の私は、テレビで津波の映像をみて、初めて強いパニック発作をおこし、それから何年も発作に苦しんでいました。
私の祖父は津波で亡くなり、親戚のおじは目の前で人が流されるのをみて、うつ病になり、仕事ができなくなりました。
だれもが、大切な誰かをなくしたり、立ち直れないほど傷ついていました。
それから、”もう3年”か。”まだ3年”か…。
3年という月日をどう推し量るべきか、人によっても違うし、まだ心傷が癒えない人がいるなか、どう紙面にするべきか迷ったと思います。
地元紙ならではの距離感に感動した私が編集局長にメールをしたところ
「やみくもに『前向きに』というのは、ナンセンス。心の傷が癒えるのにかかる時間は人それぞれだと思うのです」
という返事をいただきました。
まだ大切な人を失った悲しみから立ち直れずにいる人がいること、そしてそんな人の心の傷を、地元にいるからこそ痛いほど感じていたのでしょうね。
その言葉は、今でもやさしく、深く、私の心に刻まれています。
人生で苦難に襲われた時、辛い時、傷ついた時、回復に要する時間は人によって違います。
だから、今は焦らずにしっかり休んでくださいね。
抗うつ薬のリスクについて知っておこう
でも、それでも発達障害の薬も精神薬も服用をとどまってきたのは、薬は対症療法であって根本の解決にはならないと思っていたからです。
なので、なるべく食事やサプリメント、生活習慣の工夫でできることをしたうえで、どうにもならなかったときの最終手段にしています。
サプリメントにも抗うつ剤と同じように、セロトニンの分泌量を調整してくれるものがあります。
大きな違いは、抗うつ剤は一度飲み続けると長期間服用し続ける必要がありますが、サプリメントなら体調によって飲む量を調整できるのが◎
私は医療の専門家ではないですし、抗うつ剤を服用した経験もないので詳しく書くことは控えますが、解説してくれているクリニックのページを貼っておきますね。
症状が軽度の場合は、カウンセリングや休息など精神的ケアで治るケースも多いため、精神科で安易に抗うつ薬を処方しないよう、警鐘をならしている専門家もいるよ。
ただし、自殺願望や自傷行為など生死に関わる症状がある場合は、薬の力が必要になるので、必ず受診してくださいね。
自分の心を治すのは、自分しかいない
ここまで薬のことなどについていろいろとお話してきましたが
誤解しないでいただきたいのは、薬の服用や精神科に行くことを否定しているわけではないこと。
精神科でカウンセリングを受けると、とても心が軽くなってスッキリしますし、話をじっくりきいてもらうことで、自分の気持ちを受け入れてもらえた安心感があります。
精神科で薬を処方してもらっても、自分でサプリメントを処方してもらっても
どちらにせよ大事なのは、最終的に「自分を治すのは、自分」という意識をもつこと。
相手が「心の専門家」なら、こちらは「自分の専門家」なわけですから
相性の良いお医者さんに出会えたら「一緒に治していく」という意識がもてるといいですね。
- お医者さんに判断を丸投げするのではなく、治療方針の希望や不安に思っていることなど、相談できるのが理想。
伝えづらいときには、メモをもっていって渡すと◎
⇢それで嫌な反応をされたら、ほかの病院にいってみるのもアリ。
私自身、ずっと精神科にいくことに抵抗がありためらっていましたが、思い切って受診したことがありました。
臨床心理士の方にじっくり話をきいてもらい
「それは、大変でしたね・・・」
といわれて、はじめて
と、ひとりで抱えていた心の重荷がふと軽くなったのを感じました。
(そんなふうに自分の苦労や苦悩を人に話したのは、生まれてはじめてだったんです)
うつのときには判断力も鈍るので周囲の力も借りて、相性のよいお医者さんに出会えるといいですね。
▼ 「うつを自分で治すセルフケア」の記事はこちら